佩魯魯．支線故事－第4章

【佩魯魯．支線故事－第3章】

扉が重たい音を立てて閉まり、

伴隨着厚重的大門驟然合上，發出了如雷貫耳的沉實聲響。

フィレーシアを先頭に屋敷の中へ入ったペルルとバルセットは、用心深く歩を進めた。

費雷西亞先行進入了屋內，佩魯魯和巴賽特緊跟其後，他們小心翼翼地邁步前行。

屋敷の中は、複雑な格子模様の窓で和らげられた光が差し込み、想像以上に明るい。

宅第內，光線經由錯綜複雜的方格紋窗悄然潛入，裡頭意料之外的明亮。

その中を三人は、大きな音を立てぬよう進んでゆく。

在這之中，三人繼續屏息靜氣地默默前行。

と、フィレーシアが静寂を破った。

突然間，費雷西亞打破了這片刻的寂靜。

「来ます！用心してください‼」

「來了！大家小心!!」

「へ、何が…｣ペルルが尋ねる前に、三人の正面から蹄のような音がリズミカルに迫ってきたかと思うと、

「誒，什麼…」佩魯魯話音未落，三人的前方傳來了頓挫抑揚的蹄音，鼕鼕的聲響循次而進，愈發鮮明。

反射的に伏せた三人の上を飛び越えて行った。

驟然，光照不及的幽處，一霎間洶湧躍出了一個龐然大物，徑直不倚地向三人奔騰而至，三人當機立斷地倒伏躲避，劃破長空的弦音在他們身上轟鳴而過。

「なっ、何っ⁉」ペルルが振り向くと、

「那是，什麼!?」當佩魯魯回過身來，

そこには豪華な革張りで猫足の安楽椅子がまるで猫科の動物のように向きを変えて走って来るところだった。

出現在視野上的，是一隻貓科動物似的豪華皮革軟墊安樂椅，它抬起貓足轉身走來。

「い、いいい、椅子ぅ⁉」

「是，是是是，椅子!?」

安楽椅子は四足で豪快に床を蹴りながらペルルに向かって疾走してくる。

昂然挺立的安樂椅駘藉地板，猝然間向佩魯魯的方向猛然衝鋒。

ペルルは振り向いた状態のまま駆け出そうとして足がもつれ、その場に転んでしまった。

佩魯魯頓時轉身，正想倉皇逃跑，卻猝不及防地大意跌倒。

「ふぎゃーっ！」叫んで頭を抱える。

「噫—啊！」聲嘶力竭地抱頭尖叫。

と、その前にバルセットが立ちふさがり、武器の短剣を抜いた。

緊接着，巴賽特隨即站起，拔出了腰間的匕首。

目の前に突っ込んで来た安楽椅子に短剣を突き立てた…

架起刀刃，朝着安樂椅的方向陡然突進…

と思った次の瞬間、椅子は右の前脚でブレーキをかけ、浮いた両後脚を素早く回転させた。

刹那間，椅子立即用它的右前腳踏地急剎，懸浮半空的後腳迅速迴轉。

弧を描いて下から上がってきた右後脚が、バルセットの顎に見事なアッパーカットを決める。

右後腳從下而上地勾勒出一條無瑕的弧線，往巴賽特的下顎揮出了一記驚人的勾拳。

バルセットはクリッと白目をむいたかと思うと、あおむけにひっくり返った。

巴賽特隨即眼冒金星的翻起白眼，然後恍恍蕩蕩的昏厥了過去。

それを見て、フィレーシアが悲鳴を上げる。 「キャアッ‼バルセットさん！」

看到這個情況，費雷西亞發出了悲鳴。「啊!!巴賽特先生！」

「風来坊ォッ⁉あにやってんのよぉっ‼あんたが一撃でやられてどーすんのぉっ！」

「快走啊!?這樣下去不行的!!流浪漢已經被一擊打倒了！」

あわてて駆け寄り、バルセットの襟首をつかんで必死に揺するペルルだが、

迅速地跑來，佩魯魯拼命晃動費雷西亞的肩膀。

その時、その背後で、木と木が当たる重たい音がした。

這時，身後的木質地板嘎嘎作響。

恐る恐る後ろを向くと、安楽椅子が床に足を踏ん張り、前脚を低くして襲いかかろうとしている。

傳來令人毛骨悚然的駭人氣息，跫然的足音由遠而近，壓低身肢的安樂椅準備襲來。

バルセットを床に下ろし、立ち上がってゆっくり安楽椅子の方へ向き直ったペルルは足を小刻みに震わせながらも、

在巴賽特倒下的地板前方，膽顫魂驚得雙腿震抖的佩魯魯用自己那渺小的身軀擋住安樂椅的去路，

「上等じゃない…猛獣みたいな動きをしてたって、椅子は椅子じゃん！あ、あたいだって,だてに冒険者にくっついて歩いてたわけじゃないってとこ、見せてやるわよ‼」

「真糟糕呢…雖然你像猛獸一樣，但椅子就是椅子！我，我不只是會跟在冒險者身後的，現在就讓你見識我的厲害！」

タンカを切って身構える。

雙方對峙之際，

同時に安楽椅子は床を蹴って天井近くまでジャンプしたかと思うと、まっすぐペルルに向かって飛びかかってきた。

安樂椅猛烈一蹴，蹺躍高空，徑直不偏地飛向佩魯魯。

「ふぎゃーっ！やっぱ無理―っ‼」

「啊—！不會吧!!」

　ペルルは後ろを振り向き逃げようとするが、またもや足をもつれさせてうつ伏せに倒れ、その背中を着地した安楽椅子の右前脚が押さえつけた。

佩魯魯試圖轉身逃跑，但她發軟的雙腿不聽使喚，並再次跌倒，步步進逼的安樂椅抬起右前腳，一跺壓着依伏地上的佩魯魯。

「ぐえ！」

「嗚！」

「ペルルさん‼」

「佩魯魯小姐!!」

　ペルルを助けようとしたフィレーシアは、次の瞬間、目の前で展開している光景に固まってしまった。

試圖幫助佩魯魯的費雷西亞，在下一刻，被眼前訝異的光景嚇得目瞪口呆。

安楽椅子は左右の前脚で押さえ込んだペルルに、背もたれを前後に動かし、やすりをかけるようにこねまわしたり、左右に振ってこすり付けたりしている。

安樂椅用前腳捉住佩魯魯，然後在她的身旁來回跳動，像揉紙團似的把佩魯魯當作毛線球來逗弄。

「こ、これは…⁉」

「這…這是…!?」

　フィレーシアが口にした通り、安楽椅子の動きはネコが人間の手をなめたり、頭をこすり付けたりする動きそのものだった。

正如費雷西亞所想，安樂椅會像貓一樣行動，背地裡可能有人做了些什麼，扶額推敲，椅子會動一定有它的原理。

ただし、相手は木と革でできた大きな椅子だ。背もたれをこすり付けられているペルルはたまったもんではない。

但是，對手是木頭和皮革製成的大椅子。被按在地上摩擦的佩魯魯是堅持不了太久的。

「あだっ！あだだだだ‼なんなのよ、これえ⁉ちょとおっ、見てないで助けてよぉっ！」

「那個！啊啊啊啊!!你在做什麼!?不要光顧着看啦，快來救我啊！」

　安楽椅子がペルルにじゃれるのに熱中している間に、フィレーシアは安楽椅子のあちこちを見て回り、座面の裏に何か光るものが付いているのを発見した。

在安樂椅全神貫注於與佩魯魯一起玩耍的時候，費雷西亞環顧着安樂椅，發現座椅的背後有一個因反光而閃爍的掛件。

一瞬の隙をついて、それを取り外す。

看準時機，費雷西亞伸手利索地取下了它。

と、安楽椅子はそれまでの動きがウソだったかのようにピタリと停止した。

驟然，安樂椅停了下來，剛才還生龍活虎的猛獸仿佛就像過眼雲煙的假像般銷聲匿跡。

どこから見ても普通の高級な椅子にしか見えない。

無論從哪個角度觀察，它也只是一張平淡無奇的高級椅子。

その下からほうほうの体で這い出してきたペルルは、フィレーシアの近くまで這って来て、

從椅子底下鑽出的佩魯鲁，爬到費雷西亞的身旁，

「い…いったい何だったのよ、これ…」

「是…是什麼啊，這個…」

へたり込んだ所へ、フィレーシアが椅子から外したハート型のブローチのようなものを見せる。

在隱藏的地方，費雷西亞從椅子上取下了一顆像心型别針的東西。

「魔法人形の心臓です…」

「魔法人偶的心臟嗎…」

フィレーシアから渡されたその物体をしげしげ眺めながら、

凝視着費雷西亞取出的物體，

「魔法人形の…心臓？？何それ？」

「魔法人偶的…心臟？？那是什麼？」

ペルルの手からそれをつまみ上げて握りしめた後、フィレーシアは一方へ歩きながら、

佩魯魯伸手把它握在掌中，費雷西亞向着一個方向邁出步伐，

「魔法人形の心臓を取り付けられた物体は生き物のように動く事ができるようになるのです…この椅子には元々そのようなものはついておりませんでしたし、そもそも屋敷の中には魔法人形の心臓は一個も存在しておりません。おそらく、何者かが忍び込んで椅子に取り付けて行ったのでしょう…いったい誰が、何のために…」

「魔法人偶的心臟是可以讓死物像活物一樣活動…這把椅子原來是沒配備這個東西的，屋子內也沒有魔法人偶的心臟。我估計，應該是有人偷偷潛入屋內，並把它鑲嵌在椅子上，但到底是為了什麼…」

考え込むフィレーシアの横で、ペルルがようやく気がついたバルセットを起こしながら、

費雷西亞陷入了沉思，這時，佩魯魯注意到在一旁不省人事的巴賽特終於醒了過來，

「だけどまあ、暴れ出す椅子の謎もわかったし、事件は解決よね？それじゃ、あたいは王宮に戻る事にするわ…風来坊、あんた、どうする？」

「那麼，我們已經了解椅子的奧秘，事情已經解決了吧？我先返回皇宮報告吧…流浪漢，你打算怎麼辦？？」

と言いながら歩き出すのを、

邊走邊說地慢慢轉身，

「お待ちくださいな。屋敷で起こる怪異はこれだけではないのです。エルバーノ王に申し上げた内容をお忘れですの？」

「請等一下。這不是房子裡唯一的怪異現象，你忘了埃魯巴諾國王說的話了嗎？」

と、フィレーシアはペルルの腕をつかんで引き留める。

這時，費雷西亞牽着佩魯魯的胳膊挽留着她。

「へ？そ、そうだったっけ？腑抜けてたからちゃんと聞いてなかった…」

「誒？是，是嗎？我沒聽清楚…」

と、頭をかくペルルをガシッと小脇に抱え上げて、

佩魯魯動作僵硬地扭頭，慢慢把視線別開，

「一晩我が家に泊まって頂ければわかります。さ、参りましょう…」

「你可以來我家過夜喔。來吧，我帶你去參觀一下…」

　フィレーシアは屋敷に戻ろうとする。ペルルはあわててバルセットに、

正當費雷西亞打算返回屋裡，佩魯魯立即大驚失色地說，

「ちょ、ちょとおっ、風来坊！何とかしてよ‼」

「等，等一下，流浪漢，快做些什麼吧!!」

と助けを求めるが、バルセットはにっこり微笑んでフィレーシアに、

聽到佩魯魯的求救，巴賽特對着費雷西亞微笑地說，

「僕も泊めていただいて構わないかな？ちょうど宿がなくて困ってたんだ。もちろん不可思議現象解明のお手伝いもさせてもらうから。」

「我也可以過夜嗎？我也在因為沒地方可以寄宿而煩惱呢。當然，我會盡力幫忙查明這件神秘事件。」

「あーっ！風来坊‼あんた、あたいを裏切るつもり⁉」

「啊！流浪漢!!你，你居然出賣我!?」

とわめくペルルをしり目に、

佩魯魯直勾勾地盯着他，

「ええ、構いませんことよ。それで不可思議現象を早めに根絶できるなら、お安いものですわ。では参りましょうか。」

「嗯嗯，當然沒問題，如果能及早解決神秘現象。那便很值得了。一起去參觀吧。」

とフィレーシアはペルルを小脇に抱え、バルセットを伴って、屋敷へ戻って行く。

費雷西亞把一哭二鬧三上吊般拼命掙扎的佩魯魯抱在懷中，帶着巴賽特往宅第深處邁步前進。

「ちょとおっ！あたいは怖いの全般、大嫌いなのよ～‼ぎゃ～っ、離せ～！」

「稍微等一下啦！裡面太恐怖了，討厭啦～!!啊～，放手啊～！」

フィレーシアの小脇でジタバタするペルルの叫びが、夕暮れのエル・スカーロにこだました…

被費雷西亞抱着的佩魯魯歇斯底里地吶喊，伴隨夕陽的餘暉在艾爾．斯卡羅的暮色間迴盪萬里…

【佩魯魯．支線故事－第5章】