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佩魯魯.支線故事-第10章



「こ、これ…って、どゆこと?」

 数時間後、不気味に踊る木彫りの人形を全て撃破したペルル、トリエル、バルフトは意外な場所に立っていた。人形と戦いながら、その発生場所を探してたどり着いたのは、フィレーシアの屋敷前だったのである。踊る木彫りの人形も、フィレーシア邸で起きた不可思議現象の一つと言う事なのか?
「とりあえず、家人に事情を聞いてみましょう…」
「ちょとっ!今、何時だと思ってんのよ!」
止めるペルルを気にも留めずに、トリエルが呼び鈴を鳴らす。五分ほど静寂が続いた後、扉が開いて、寝ぼけまなこのフィレーシアが現れた。
「どうなさいましたの?こんな夜中に…ふぁああ…」
「夜分に申し訳ないが、街人を怖がらせていた不気味な木彫りの人形を追っていたら、この屋敷から出現していたのだ。何か心当たりはないか?」
半分寝ているフィレーシアの両肩を持って、激しく揺さぶらんばかりに詰め寄るバルフトをトリエルが制する。と、フィレーシアが寝言を言うように、
「ふぇっ、木彫りの人形?不気味な踊りを舞う人形の事れすか?…それでしたら、先日の結晶がらみの事件より以前に、深夜、屋敷の中に出現しまひて…目撃ひた使用人たちが怖くて眠れないと訴えておりまひたが…いつの間にか結晶が引き起こす怪異現象に変わっておりまして、その騒ぎに紛れてすっかり忘れておりまひた…くー…」

 それを聞いたペルルは、思わず脱力して、
「あのさぁ…そーゆーことはもうちょい気にしようね…結局、今まで起きた不可思議現象は全部、あんたのお屋敷から起こってて、しかも、それは、何者かにしかけられたもんじゃないの!」
立ったまま上半身を前のめりにして寝ているフィレーシアに話しかける。それを聞いて、トリエルが驚いたように振り返り、驚きの声を上げる。
「えっ、全部⁉今までここで起こったという不可思議現象が全部仕掛けられたものなのですか⁉いったい誰がそのような…」

 ペルルは近くにあった小石を拾い、一方へ歩み寄りながら、
「あたいも誰だかはわからないんだけど、近くにいるんじゃない?例えば…そこっ‼」
鋭い叫び声と共に暗がりへ投げつける。同時に小石の飛んで行った方向で
「きゃぁっ‼」
小さな叫びが上がり、逃げ出す足音がする。すかさずトリエルが滑らかな身のこなしで、逃げる人影を取り押さえた。
「おとなしくなさい!捕えました。賊は女性ですわ!」
捕えられた賊はトリエルに腕の関節を決められ、苦悶のうめき声を上げる。
「あれぇっ!はっ、放しなさい!お放しになってぇ~‼」
声と言葉の特徴を聞いて、トリエルの捉えた手が緩む。
「あら⁉あなたは…たしかソフィアの街で…」
トリエルの言葉を聞いて人影の顔を覗き込んだペルルも、
「あ~っ、うちの冒険者にいっつもいろんな物集めを頼んでたお屋敷のお嬢じゃん!確か…」
と言ったところで、背後から
「むにゃ…レフィーナ?レフィーナではないれすか…なんれ、あなたがこんな所に…」
寝巻で目をこすりながらフィレーシアがふらふらと近寄って来る。レフィーナ、それを見て、
「げっ!イブリン…」
と、つぶやくのを聞いて、ペルルは砕いた結晶を捨てに行った時の事を思い出した。
「あんた、あたいとバルセットが結晶を捨てに行く時に、通りにいたわよね?」
レフィーナに尋ねるが、一瞬ギクリとしたものの、横を向いて返事をしない。
「あの時もあんた言ってたわね、イブリンって…」
「イ、イブリン??とは誰の事だ?」
遅れて近づいてきたバルフトが尋ねる。と、それまで黙っていたレフィーナが、
「そこで寝ぼけくさっているかっぺ娘の幼名ですわ!かっぺのクセにフィレーシアなんぞとこぎれいな名前を名乗って…幼名のイブリンでももったいないくらいです!」
その語気の強さに、ペルルは少し後ずさった。
「ええ、この一連の騒動をしかけたのはわたくしです!でも最初にしかけてきたのはイブリンの方なのです。事あるごとに、わたくしやわたくしの家を田舎者呼ばわりしくさったあげく、先日、とうとうわたくしの寛大な心の限界を超えるような事をしでかしてくれたのです!ですから!その仕返しをするべく、今まで集めに集めた邪悪なしかけを一気にこのかっぺ娘の屋敷にしかけてやったのですわ‼」
一気にまくしたてて、荒い息をつくレフィーナを、少し遠巻きにみつめながら、ペルル、トリエル、バルフトはどうしたものか悩んでいる。と、またもや寝ぼけているフィレーシアが、
「レフィーナ…わらくしはあなたの事大好きれしてよ…」
つぶやいた言葉にペルルたちは驚いたが、それ以上に驚いたのはレフィーナだったらしい。
「な、何、バカな事を…今までわたくしの神経を逆なでするようなことを散々やっておいて…」
とわなわな震えるレフィーナに、まだ寝ぼけた状態のフィレーシアはふにゃりと笑いながら、

「え~、レフィーナ…あなたはわらくしが出したちょっかいに真剣に応えてくれるではないれすか…他の人はうわべだけで適当にあしらって終わりなのに…レフィーナだけがいつも本気で向かって来てくれる…わらくし、これほど嬉しいことはありませんことよ~…」
言い終えると、また立ったまま寝てしまった。ペルルたちは横であっけにとられている。レフィーナは俯いて体を震わせていたが、キッとフィレーシアをにらみつけ、
「今日の事はあなたの寝ぼけた上での戯言として聞いておきます!こ、こんな事聞いたら、こ、こ、これから仕返ししにくいではないですの!も、何が何だかわかりませんわ‼わたくし、帰らせて頂きます!覚えてらっしゃい、このかっぺ娘‼」
アタアタとぎこちない動きで町を出て行った。あとに残ったペルルたち三人は、しばらく呆気にとられて見ていたが、やがてバルフトが、
「いいのかね、捕まえなくて?不可思議現象の犯人だろう?」
と頭をかくのを見て、トリエルは苦笑しながら、
「いいのではないですか。フィレーシアさんの本音をレフィーナさんも聞けたことですし…」
それを聞いてペルルが、
「本音なのかな~?寝言のような気がするけど…ま、いっか。レフィーナさんもあれ聞いたら、少しフィレーシアさんの見方も変わるだろうし…よかったんじゃない?とりあえず、今回の連続不可思議現象はこれで解決って事で!」
ペルルがニカッと笑うのにつられて、トリエル、バルフトも微笑む。
「ところで…この方、どうしましょう?」
トリエルが手で指した先には立ったまま上半身前のめりの状態で寝ているフィレーシアが。
「わわっ⁉フィレーシアさん!この状態で寝られるって…すごいわね。」
呆気にとられているペルルの帽子を軽く押さえながら、
「感心してる場合か!とりあえず家人が起きる前に、寝床へ運ぶぞ!」
朝日が昇り始める中で、ペルル、トリエル、バルフトの三人は連続不可思議事件最後の仕事に取り掛かった…

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